私は昔から、「なぜ」と考える人間でした。
物心ついた頃から、私のそばに母親はいませんでした。
「なぜ、いないんだろう」と思っても、どこか聞いてはいけないような空気がありました。
その頃からかもしれません。
私はいつも、人や出来事に対して疑問を抱きながら生きてきたように思います。
なぜ、この人はこう考えるのか。
なぜ、頑張っている人が報われないのか。
なぜ、こんなことになってしまうのか。
なぜ、なぜ、と。
同時に、早く家を出て、自分の力で生きていきたいとも思っていました。
そして、その気持ちに対してもまた、「なぜ自分はそう思うのだろう」と考えていました。
学生時代のアメフトでも、「なぜ勝てないのか」「なぜ人が力を発揮できないのか」を考えていました。負けるたびに原因を考えましたが、当時は答えがなかなか見つかりませんでした。
社会人で最上位リーグのアメフトチームに入り、勝つ組織の考え方や、反省を次の行動につなげる姿勢に触れたことで、初めて多くのことを学びました。
その後の運送業の修業時代にも、仕事の進め方、人との関わり方、信頼される人のあり方、社員がどんな不満を抱いているのかなどを、たくさんの方から学ばせていただきました。
家業に入ってからは、理想と現実の差に何度も苦しみました。能力があり、周囲から信頼される人が報われない。いっぽうで、誰が出世するのかは、さまざまな要因で決まる。社員が不満を抱え、やりがいを失っていく。
低単価、長時間労働、サービス残業、人員削減によるコストダウン、値段競争と品質向上の終わらない循環。運送業には、働く人も経営者も疲弊しやすい現実がありました。
「なぜ、こんな業種を継いだのか」と泣き言を言ったこともあります。良い会社にしたいと強く思うほど、焦りや怒りで周囲を苦しめ、失敗もしました。
それでも、悩みに悩みながら、たくさんの本を読み、人の話を聴き、同業者、先輩、取引先、お客様、いろんな組織、そして現場から学び続けました。
目に見える数字や業務だけでなく、人の気持ち、関係性、組織の空気まで含めて考え、改善を重ねてきました。
独立後に心機一転、一度は自分で実現しきれなかった「良い会社づくり」を、コンサルタントとしてもう一度やってみよう。そう決めて始めた仕事です。
実際に、経営者の在り方や考え方、日々の発言から、作業単価、営業体制、組織づくり、人材育成までを一緒に見直すことで、会社の利益が改善し、働く人の表情や行動が変わり、本当に良い会社へ進んでいく場面を見てきました。
そこで初めて、自分が抱き続けてきた「なぜ」という問いや、経験してきた失敗、学んできたことは、誰かの役に立てると確信できました。
そして、今の私は、「なぜ」だけで終わらせません。自分の価値観や提案を一方的に押し付けるのではなく、まず相手にお伝えしたうえで、「どう思いますか」と問いかけます。
そして、その答えに対して、もう一度「なぜそう思うのですか」と聴く。そうやって対話を重ねることで、表面には見えていなかった本当の課題や想いを見つけ、洞察を深めていきます。
答えをこちらが決めるのではなく、経営者や現場の人と一緒に、納得できる答えをつくっていく。それが、私のコンサルティングの在り方です。
私は、どんな会社でも必ずうまくいくとは言いません。けれど、現場・数字・人を多角的に見つめ、経営者と一緒に考え、実行し続ければ、支払っていただく御金以上の価値をお返しできると考えています。
働く人が報われ、力を発揮できる。
経営者も利益を出し、安心して挑戦できる。
社員の幸福と会社の成長が両立する「本当に良い会社」を、一社でも多く増やしていく。
それが、私がこの仕事をする理由です。